
うちの子、何でも“イヤ!”ばかりで…

大丈夫、我が家もそうでした!
1歳半〜3歳頃に訪れる「イヤイヤ期」は、子どもの“第一次反抗期”とも呼ばれ、親にとっては試練の時期です。
しかし、発達心理学の観点から見ると、イヤイヤ期は「自我の芽生え」「自律性の発達」の現れ。つまり、子どもがしっかり育っている証拠なのです。
この記事では、科学的な根拠に基づきながら、親が押さえておきたい心得と、すぐに使える10の対処法をわかりやすくご紹介します。

いくつかの論文を読みながら見解をまとめてみました!
イヤイヤ期の正体|脳と心の発達から見る
▶ なぜ“イヤ!”を連発するのか?
子どもが「イヤ!」と主張する背景には、脳の発達段階があります。
脳科学によれば、2〜3歳の子どもは「感情を司る扁桃体」が活発に働く一方、「感情を制御する前頭前野」はまだ未成熟。
つまり、感情を爆発させやすく、コントロールが難しい状態なのです(※1)。
また、心理学者エリクソンの理論では、2〜3歳は「自律性 vs. 恥と疑惑」の発達段階。
この時期の子どもは「自分でやりたい」という欲求が強くなる一方で、失敗への不安や他人との比較で自信をなくしやすくなります(※2)。
※1 Thompson, R. A. (2001). “Development in the first years of life”. The Future of Children
※2 Erikson, E. H. (1950). “Childhood and Society”
親の心得5か条|子どもの心に寄り添うために

イヤイヤ期の子どもと向き合ううえで、まず親として大切にしたい姿勢を5つご紹介します!
感情を“否定せず”受け止める
「そんなことで泣かないの!」はNG。
子どもにはまだ自分の感情を表現する言葉が足りません。
「悲しかったんだね」「怒ってるんだね」と、子どもの感情に名前をつけてあげることが大切です。

なんでイヤなのか、自分でもわからないの!
自分で選ばせることで“主体性”を育む
「AかB、どっちにする?」と選択肢を与えると、子どもは「自分で決めた」という満足感を得ます。
これが自律性と自己肯定感の土台になります。

自分で選んだ服が変でも、パパとママに否定されたくないな!
ルールはシンプル&一貫性がカギ
その日その時で親の対応が変わると、子どもは混乱します。
「おもちゃは寝る前に片づける」など一貫したルールと予測可能な習慣が安心感を育みます。

親も一貫しましょう。子供には「歯磨きしながら歩いちゃダメ」というなら、親も歩いちゃダメです。
先に“予告”して行動の切り替えを助ける
突然「もう終わり!」と言われるとパニックになりがち。
「あと5分でお風呂に行こうね」と、事前の声かけで気持ちの準備ができます。

パパだって、急にお酒を止められたらいやでしょ!

言い返せない・・・(笑)
親自身が“余裕”を持てる環境を作る
→ 子どもの情緒は親の表情や声色に敏感。イライラが続くと連鎖的に子どもも不安定に。
週1回でも短時間でも、自分のためのリラックスタイムを確保しましょう。

親だって人間ですから・・・(笑)
今すぐ使える!実践テクニック10選
親の心得をふまえたうえで、家庭で取り入れやすい具体的な対処法を10個ご紹介します。
「わかるよ」と共感の一言を
まず「イヤなのね」と受け止めることで、子どもは落ち着きやすくなります。
選択肢を2つまでに絞る
3つ以上あると迷ってまた「イヤ!」。迷わせすぎないのがコツです。
タイマーで見える化
砂時計や音が鳴るタイマーを使って「あと5分」を視覚・聴覚で伝えると納得感が増します。
歌や遊びにして“楽しい習慣”に
着替えや片づけを「お歌に合わせてやってみよう」とゲーム感覚に。
ネガティブな言葉を“ポジティブ”に言い換える
「走らないで!」ではなく「歩こうね」と伝えるとスムーズに響きます。
“気持ちカード”で感情に名前を
「悲しい」「怒ってる」など表情カードを使い、子どもが自分の気持ちを言語化できるようサポート。
「見本を見せる」親のモデリング
親が感情をコントロールする姿を見せることも大切。たとえば「ママもイライラしたけど深呼吸したよ」。
“シール表”で達成感を育てる
「できた!」を見える化して、がんばりを認める仕組みづくりを。
“静かな空間”でクールダウン
癇癪がひどいときは安全なスペースで静かに過ごす時間を。無理に話しかけないことがポイント。
夜に“一緒に振り返る時間”を
寝る前に「今日は○○できたね」と振り返ると、自己肯定感と信頼関係が深まります。
こんなときどうする?Q&Aで解説

よくある事例を解説します!
公園で地面に寝転んで泣き叫ばれたら?
まずは冷静に。無理に抱き上げず、少し距離をとりましょう。
他人の目が気になるときは「今ちょっと気持ちの整理中なんです」と言うだけでも心が楽になります。

暴れたいときだってあるの!自分ではコントロールできないの!
何をしても「イヤ!」ばかり。親のストレスが限界…。
完璧を目指さないでOKです。
保健師や地域の子育て相談窓口、オンラインのサポートコミュニティを活用して「話せる場」を確保しましょう。

どうしても話せる人がいなければ、当ブログのコンタクトフォームからいつでもコメントください!
おわりに|“イヤイヤ”の先にある子どもの成長
イヤイヤ期は、子どもが“人としての第一歩”を踏み出す大切な時期。感情の起伏も、衝突も、自分を知る学びのプロセスです。
とはいえ、親にとっては試練の日々。ときには投げ出したくなることもあるでしょう。
でも、そのたびに一歩引いて、深呼吸をして、子どもと一緒に育っていけたら素晴らしいと思いませんか?
本記事でご紹介した親の心得やテクニックが、少しでもあなたとお子さんの毎日を軽やかにするヒントになれば幸いです。
【参考文献】
- Erikson, E.H.(1950)『Childhood and Society』
- Thompson, R.A.(2001)”Development in the first years of life”
- American Academy of Pediatrics(2020)”Stress Management for Parents”
- Denham, S.A.(2018)”Social-Emotional Learning in Early Childhood”
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